1.フィルム・コミッションとは
 映画、テレビドラマ、CMなどのあらゆるジャンルのロケーション撮影を誘致し、実際のロケをスムーズに進めるための非営利公的機関です。現在、AFCI(国際FC協会)に加盟しているだけでも、世界41カ国に307の団体があります。それらの多くが国や州・市など自治体等に組織されており、国内ばかりでなく国際的なロケーション誘致・支援活動の窓口として、地域の経済・観光振興、文化振興に大きな効果を上げています。


2.フィルム・コミッションの三原則
(1)非営利公的機関であること
 フィルムコミッションは、ロケーション撮影を支援する非営利公的機関です。日本では、都道府県や市町村などの自治体、商工会議所や観光協会、コンベンションビューローなどの公的機関がフィルムコミッション事業を行っており、撮影支援に関するサービスは無償で提供しますが、ロケ地で撮影使用料が発生することはあります。また、製作費などの資金提供は行いません。

(2)One Stop Serviceの提供
 フィルムコミッションは、当該地域の撮影に関するご相談を一括して受ける窓口です。なお、具体的なサービス内容につきましては、各フィルムコミッションにより異なりますので、お問い合わせください。

(3)作品内容は問わない
 フィルムコミッションでは、作品の内容を問わず撮影に関するご相談をお受けします。ただし、実際に撮影を支援する際の条件等は、各候補地の所有者や管理者より提示され、作品内容や条件により拒否されることはありますので、ご了承ください。


3.フィルム・コミッションを組織するメリット
(1)当該地域の情報発信のルートが増えます。
(2)撮影隊が支払う「直接的経済効果」が見込まれます。
(3)作品(映画・ドラマ)を通じて観光客が増え、観光客が支払う「間接的経済効果」が見込まれます。
(4)映像制作に関わることを通じて、地域文化の創造や向上につながります。


4.フィルムコミッションの提供するサービス
1.フィルムコミッションは、以下のサービスを無償で行います。
ロケーション場所に関する情報の他、宿泊、食事、機材、レンタカー、許可申請についてなど、地域で撮影する際に必要な情報の提供を行います。

2.以下のことは、個々のフィルムコミッションによって異なります。
・警察署、公的機関などへの撮影許可手続きの代行
・エキストラの手配(登録制度をとっているFCもあります)
・撮影への同行

3.フィルムコミッションは、以下のことはいたしません。
・タイアップ交渉(対象の企業と直接交渉してください)
・制作資金の提供(他の部署で行っていることはあります)
・撮影に関連して起こった人的・物的損害の補償(各種保険には制作者が加入してください)


5.我が国での経緯(「フィルム・コミッション設立研究会」について)
 我が国では、これまでこの種の支援組織がなく、撮影環境が悪いことから、海外からの映画撮影はごくわずかなものでした。そこで、この状況を憂うる映画・マスコミ関係者が中心となって、平成12年2月、民間による任意の「フィルム・コミッション設立研究会」(委員長:日本映画学校校長 佐藤忠男氏)が設立されました。同年9月には「フィルム・コミッション設立推進全国シンポジウム」を、同11月には東京国際映画祭にタイミングを合わせ「国際シンポジウム」を開催して、日本のフィルム・コミッション設立運動の状況を世界に発信する等フィルム・コミッション設立の気運を盛り上げてきました。
 この動きは、発足当初からマスコミに大きく取り上げられ、予想をはるかに上回る早さで各県、市などの地方自治体の間に「地方フィルム・コミッション」設立の動きが広まっております。

 日本映画は、日本が世界に誇れる文化の1つです。「ローマの休日」を見て、実際にローマに行き、オードリー・ヘップバーンのように階段の下でアイスクリームを食べたり、「真実の口」に手を入れてみたいと思うことがあるように、映画を通じてその国を知る、またもっと知りたいと思う人は多いでしょう。映画はその国を写す鏡であり、文化であるのと同時に、効果的な観光宣伝の機能を持っています。
 日本は、世界の主要な映画制作国の1つですが、映画やテレビなどの撮影環境が必ずしも整っているとは言えない状況にあります。従来、日本にはロケーション撮影を誘致し、撮影に必要な許可を取ったり、関係する方面との交渉を行うといった「撮影に協力するための組織」がありませんでした。
 一方、欧米諸国においては、映画等が重要な文化活動と認識され、かつ映画やテレビの撮影地になることによって地域の知名度を飛躍的に向上させること、関連産業を通じて経済効果と雇用の創出に貢献すること、また地域の文化育成にもつながることなどから、多くの自治体等が、映画やテレビのロケーション誘致に積極的に取り組んでおり、州あるいは市町村単位で「フィルム・コミッション」という公的機関が設立されています。


6.連絡協議会事業内容
 全国フィルム・コミッション連絡協議会は、その会員が一致協力して、各地域のフィルム・コミッションの活動を支援し、映像文化の発展に資することを目的として組織されたものです。
 会員は、正会員(フィルム・コミッション、自治体、映像制作団体、観光振興団体など)、賛助会員(関連企業)、個人会員によって構成され、本協議会の目的に賛同する者は、会員の推薦によって会員になることができます。
 平成13年8月8日(水)に、設立総会がパシフィコ横浜で開催され、全国11ヶ所のFCを含む正会員46団体と、賛助会員、個人会員、プレス等の200人以上が出席しました。それから、わずか6年間の間に、全国に97のフィルムコミッションが誕生しました。
 協議会は、その連絡機関として、相互の情報交換はもちろん、各フィルムコミッションだけでは困難な課題に対して解決していく様々な活動を行っております。
 
 協議会の事業内容は以下のとおりです。
1.各地域での新規フィルム・コミッション設立のための支援
 ●資料・情報提供
 ●助言・相談
2.フィルム・コミッションの活動に関わる機能充実と環境改善
 ●FCと映像制作者間での課題解決
 ●撮影に関する規制緩和の促進
 ●機能充実のためのセミナー実施
3.フィルム・コミッションの活動に関わる情報交換と連絡調整
 ●情報交換会などイベントの実施及び協力
 ●情報の収集とニュースレター、メールマガジンの発行、ホームページの作成
4.フィルム・コミッションの活動に関わる人材育成と教育支援
 ●人材育成のための研修セミナー実施
5.その他、本協議会の目的を達成するために必要な事業

また、これらの事業を実施・検討するため、会員の参加により、平成19年度は、以下の3つの委員会を設置しています。

企画委員会
委員長:前澤哲爾(全国フィルム・コミッション連絡協議会専務理事)
協議内容:
 ・事業・広報などに関する企画検討
 ・組織運営やその他新規テーマについての検討

JAPAN FC検討委員会(新規設置)
委員長:田中まこ(神戸フィルムオフィス)
協議内容:
 今後も充実した撮影支援の継続と、約100近くにもなった全国FC連絡協議会加盟FCと連携しながら、国内外の制作者からの問い合わせに対応できる、「日本」の窓口になる「JAPAN FC」の設立を検討する委員会です。なお、昨年度まで設置されていました国際委員会を廃止、その活動内容を吸収、発展させることも同委員会の役割となります。

渉外委員会
委員長:三橋幸和((有)ヘブンリーバレー)
協議内容:
 ・FCと映像制作者間での課題解決のための検討
 ・映像関連団体と協力してセミナーなどを開催
 

7.お問い合わせ
全国フィルム・コミッション連絡協議会
〒104−0031
東京都中央区京橋3−7−6
東京国立近代美術館フィルムセンター5階
TEL: FAX:
E-mail:
(なおお送りいただいたメールすべてには、ご回答できないことをご了承ください。)


8.AFCNet(アジア・フィルム・コミッションネットワーク)について
AFCNet(アジア・フィルム・コミッションネットワーク)は、2004年10月10日、6カ国18団体が参加して設立されました。

■アジアエリアでの撮影の円滑化、協力強化を目指して事業計画が決定しました。大きくは下記の4項目です。

 1.<製作に関する情報の交流、体系化>
 2.<映画関連法律、制度などの交流及び改善>
 3.<アジア地域のフィルムコミッション育成及び教育の支援>
 4.<共同の広報、マーケティング>

AFCNetについて詳しくはこちらへ

●AFCNetWEBサイト(日本語版もあります):www.afcnet.org

●AFCNet正会員(2007年8月現在)
 
<日本>
 *さっぽろフィルムコミッション
 *せんだい・宮城フィルムコミッション
 *東京ロケーションボックス
 *横浜フィルムコミッション
 *なごや・ロケーション・ナビ
 *大阪ロケーション・サービス協議会
 *神戸フィルムオフィス
 *姫路フィルムコミッション
 *広島フィルム・コミッション
 *下関フィルム・コミッション
 *北九州フィルム・コミッション
 *福岡フィルムコミッション
 *佐賀県フィルムコミッション
 *ながさき観光地映像化支援センター
 *大分市ロケーションオフィス
 *沖縄フィルムオフィス

<韓国>
 *釜山フィルムコミッション
  TEL: 〜6 e-mail:
 *ナンドフィルムコミッション
  TEL: 〜2 e-mail:
 *ソウルフィルムコミッション
  TEL: e-mail:
 *Jeonju Film Commission
  TEL: e-mail:
 *Gyeonggi Film Commission
  TEL: e-mail:

<中国>
 *西安スタジオ
 TEL: e-mail:
 *長春スタジオ
 TEL: e-mail:

<ロシア>
 *ウラジオストックフィルムコミッション
 TEL: 7- e-mail:

<シンガポール>
 *シンガポールフィルムコミッション
 TEL: + FAX: + e-mail:

<マレーシア>
 *マルチメディア開発公社
 TEL: e-mail:

<インドネシア>
 *バリ フィルムコミッション
 TEL: e-mail:

<カンボジア>
 *カンボジア文化部傘下映画局
 TEL: 12 e-mail:

○お問い合わせ
 AFCNet事務局 Busan film commission(BFC)
 TEL: e-mail:


9.AFCI(国際フィルムコミッショナーズ協会)について
 AFCI(国際フィルムコミッショナーズ協会)は、1975年アメリカで設立された非営利教育団体です。
=u教育プログラム」、Location Trade Show「映像制作者への展示会」を活動内容とし、世界41カ国に307の団体が加盟しています。
 日本の正会員FCは、以下のとおりです。

 *さっぽろフィルムコミッション
 *東京ロケーションボックス
 *横浜フィルムコミッション
 *那須フィルム・コミッション
 *大阪ロケーション・サービス協議会
 *神戸フィルムオフィス
 *姫路フィルムコミッション
 *広島フィルム・コミッション
 *萩ロケ支援隊(フィルム・コミッション)
 *北九州フィルム・コミッション
 *福岡フィルムコミッション
 *大分市ロケーションオフィス


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